タモリが書いた星新一への寄せ書きが素敵

カルチャー

20150210-tamori

ショートショートの神様として有名なSF作家、星新一。

星新一の公式サイトに、各界の著名人の寄せ書きページがあります。

星新一公式サイト-寄せ書き-

その中にタモリさんの寄せ書きがあったのですがこれがよかった。


引用します。

タモリ「星新一先生が泣いた夜」 タレント

 星先生は、何度お会いしても最初のうちは初対面のようにいつもはにかんでいました。そのうちに打ち解けてくるのですが、その様子が久し振りに会えて嬉しくて嬉しくて思わずしゃべる声もうわずってしまったように聞こえるので、だんだんこちらも楽しくなってきます。

 でも話が一段落ついたところで、僕に対してさえも敬語をちょっと使われ、その瞬間すっとある一定の心地良い距離感が保たれます。

 星先生の話はおもしろいのは勿論ですが、ギャグの突飛さには笑うのを忘れてただ感心してしまうばかりでした。

 一時期、夏に仲間達と伊豆の別荘に行くことが恒例になっていたことがありました。星先生の別荘も近くにあり、たまたまその日に先生が滞在されていたので一緒に食事をしたことがありました。

 食後ゆっくりと酒を飲みながら富田勲のシンセサイザーでドビッシーを大音量で聴いていました。その夜は風もなくきれいな月が雲のない空に浮かんでいました。高台から眼下に広がる林のむこうに見える海はキラキラと輝き、右の方からうねるように降りてきた青黒い稜線が、その海に最後は垂直に落ち込んでいます。あまりにも音楽にピッタリの光景に全員黙って聴き入っていました。

 演奏が終わって顔を上げた星先生の目にはいっぱいの涙が浮かんでいました。

 そして「こんなに感激したことはない」とつぶやいていました。

 月明かりの中、宴会は続き泥酔した星先生は二人に両脇をかかえられてお帰りになりました。

 泣いている星先生を見たのは我々だけではないでしょうか。過大音量のためスピーカーが一個焼き切れたこともあって忘れられない夜でした。

via: 星新一公式サイト-寄せ書き-

風景描写の部分、小沢健二に歌にしてもらったらいいんじゃないかと思うくらい。

「あれは生命の最大の肯定」タモリが絶賛した小沢健二 – てれびのスキマ

他にはこんな人たちの寄せ書きもありましたよ。みんなそれぞれ違ってよい。

星新一公式サイト-寄せ書き-Char
星新一公式サイト-寄せ書き-マキタスポーツ
星新一公式サイト-寄せ書き-和田竜

普段表現し続ける人たちだからこそ、「この人らしいなあ」とか「お、こんなこと書くなんて意外」というようなことが見えてくるんでしょうね。

ブログとかも同じなんじゃないかなあと思いました(小並感)。

今曲がっているカーブの先に、果たして海はあるのだろうか。見えてくるのだろうか。

次回予告:人形町で安くて美味い熟成肉食べてきた

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